Love Eater Ⅲ


自分の全てであり愛した女性が目の前で無情に命を絶たれた衝撃はどれ程のものだろうか。

しかも、16の歳なんてまだ精神も未成熟で不安定と言える頃に。

実に歪みやすく、脆く、壊れやすい。

今まさに…六花が壊れてしまったように。

「…なんでまた…そんな死に方、」

「……彼女が魔女であったからよ」

「魔女?魔女狩りにあったとでも言うのかよ?そんな筈あるか!聞きかじるだけでも夜音に悪意なんてものはねえ。今の世の中、悪意のない魔女に即処刑だなんて魔女狩りは存在しねえ筈だ、」

「今の世の中ではね」

「えっ…」

「魔女なんてものが溢れかえったこの世では。ただ、大昔ならどう?魔女なんてものが認知されていない時代。目の前で不思議な力を使うような人間がいたら…受け入れてもらえるものかしら?」

「ちょっ……待てっ!その話を夜音に当てはめるとするとなるとだっ…、夜音は……何十年…いや、何百年も前に生きていた魔女って事になるんだぞっ!?」

「そうよ。夜音は何百年も昔に存在した魔女。…もしかしたら、彼女が魔女の起源かもしれない」

「はっ?!いやいやいや、おいっ、待ってくれっ!なんか話が大きくなりすぎてっ。…それに、その夜音に育てられたって事は時雨も…」

「彼も何百年も時を過ごして今となっているの」

「はぁっ!?いや、いくら魔混じりったって基本は人間だぞっ!?百夜みたいな魔物じゃあるまいし、そんな長命な筈…」

「時雨はそもそも魔混じりでもないわ」

「……へっ?」

「寧ろ、不思議な力とは無縁のただの人間だった」

「っ〜〜〜???!」

もう…自己処理不可能。

無理。

わけわからん。

だって時雨は現状魔導師で、しかも数百年も生きてるったら完全に魔物寄りじゃねえか!

なのに人間って…。

えっ??

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