Love Eater Ⅲ


「あいつは…我儘で自由奔放で自己陶酔も激しいど変態だけど、……人のパンツも盗むしな。…でも、それが一番六花が六花らしい在り方で、人生を謳歌してた筈だ」

「フフッ…、そうね、」

ふと、考える事もなく思いだすだけでソルトの脳裏に浮かぶのは屈託のない六花の姿ばかりである。

無邪気で、悪戯っぽく、嫌味な言葉遊びをしながらいつもニコニコと楽し気で。

あいつは……あああるべきだ。

今までも、

これからも。

その為にもだ。

「そろそろ返してもらおうか。六花の魂の欠片ってやつを」

本当の本当に本題への回帰だ。

それがソルトがここに来た本来の目的であるのだから。

まさか花鳥の意識と話せる事になるとは思ってなかった為、つい色々な疑問の解消をはかってしまっていたけれど。

ソルトの本題への切り替えには特別驚く様子の無い花鳥がいて、『返せ』という要求にもただふわりと微笑むと、

「ええ、勿論よ」

そんな快諾の一言が返されたのだが。

「ただ……あなたが見つけられたらの話だけども」

「あっ?」

「あの子の欠片はもうずっとあなたの近くにあるわ。この溢れかえる白百合の花のどれか一輪がそう。それを間違える事なく見つけ出す事が出来たらあの子の欠片を返してあげる」

そんな更なる謎かけも補足で追加されてしまう。

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