Love Eater Ⅲ
それにはソルトも参ったという失笑で顔を歪める他なく。
「はっ、ここにきてあんだけ色々語り合ってまだ俺を試しにかかるのかよ?」
「勿論よ。だって私はこの子には本当に幸せに笑っていてほしいもの。それにはこの子を本当によく見てわかってくれている人じゃないと」
「フッ、さすが百夜の女と言うか…、純真に見えて案外意地が悪いのな」
「だって魔女だもの」
ニコリと微笑む花鳥の姿は変わらず無垢に愛らしいのにどこか意地悪さも垣間見えて。
それでも決して憎たらしいなんて感情は浮上せず、寧ろどこまでも六花への愛情を感じてしまうからソルトも苦笑以外漏らす事が出来ないとくる。
結果、やれやれと後ろ頭を掻き、綺麗な緑の双眸で白百合の群生を一瞥しつつも。
するりと動きを見せた指先は迷う事なく花鳥の耳元を彩る白百合を掠め、
「コレ、」
「っ……」
「……この、一等綺麗なのが…俺の六花だ」
そんな結論を弾きながら、ソルトの指先は白百合を掠めながら花鳥の頬を撫でるのだ。