Love Eater Ⅲ
もっとなんかあるだろっ!?とソルトが心のちゃぶ台をひっくり返してしまうほどにあっさりと親子の再会は終了してしまったのだ。
「お前らなんなの!?生き別れの親と子の再会だろ!?もっとこう湧き上がる情ってもんはないわけっ!?」
「……花鳥の方に似ててよかった」
「……あっ、思ってたより若い?」
「思いっきり考えて捻り出してんじゃねえかよっ!!」
「そう言われてもねえ。まあ、無事に生まれて大きくなって良かったとしか言いようがないでしょ」
「僕も、『へえ、お父さん若っ…』って感想しかないかな」
「何でだよ!?まあ、記憶戻ったばっかの百夜はともかく六花からすればようやく判明した血縁だろっ!?父親だろっ!?家族だろっ!?それなのにっ…」
「だって、僕別に両親に会いたいとか探したいなんて欲求なかったし」
「六花ぁぁぁ」
「それに、僕の世界はソルトだもん」
「っ……」
「どんな事情があったかなんて知らないよ?でも僕を見つけて息吹かせて僕を作り上げたのはソルトだ」
「そ…れは……」
「六花って名前をくれて生に対する執着を教えてくれたソルトが僕の家族。僕の家で、僕の糧で、僕の酸素で……僕が存在する意味のすべて。だから、わかんないよ。再会に感情を持てって言われても」
「いや………そう…だ……と、してもさぁぁぁ……」
ああ、もう……。
喜んでいいのか申し訳なく思っていいのかわかんねえよ。