Love Eater Ⅲ



「じゃあ、人間の…魔女に対する認識はどうですか?今までのこちらの認識では魔女だけは魔族も特別視しているものだとされていましたが」

「そんなのは一昔前の迷信にすぎん。それこそ妹の話に通じるもので夜音が与えた血の濃い時代の魔女であるなら魔族の血を高めることもでき魔族の間でも騒がれていたが」

「じゃあ、今の魔女とされる人間にも魔族からすれば価値はないと?」

「それは言い切れないな。確実に薄れては来ているが、それこそ遺伝子によって夜音の血の成分に限りなく近い魔女が生まれないとも言い切れないからな。と、いうか、質問が多すぎやしないか?一つと言っていただろう」

明らかに再び脱線し始めていたソルトからの疑問話。

魔王の不機嫌な突込みにはソルトも苦笑を浮かべ『すみません』と呟きつつも、

「少し脱線してしまいました。本当に聞きたいのは何故夜音さんだけがああも重い刑罰となっているかということです。同じような罪人はいるのですよね?でもあそこには見たところ彼女しか姿はなかったように思える」

この本題だけは聞かねばならぬと食いつきなおすのだ。

そんなしつこいとも言えるソルトからの質疑応答には魔王も重苦しい溜息を嫌味代わりに吐いてみせはするのだが。


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