私は彼氏がキライです!?〜クラスメイトとLOVEバトル〜
固まる私が次に聞いたのは、意外にも優しいアツの声。
『今からちょっと外出れるか?』
「えっ?」
『今・・・お前ん家の前にいる。』
「えぇーっ??」
携帯を握りしめたまま、私は急いで玄関に走った。
玄関のドアを開けると、門の前にアツの自転車が止まっているのが見えた。でも、アツの姿が見えない。
「・・・アツ?」
呼びかけても、返事がない。
門を出て自転車に近づこうとした時、
「おいっ」
すぐ真横から聞こえたアツの声。
思わず体がビクッとする。
「アツ」
アツは、門のすぐ横の壁にもたれかかって立っていた。
「お前、今日行ったのか?」
「行ってないよ。アツが行くなって言ったんじゃん。」
私が答えると、アツはすぐに私から視線を逸らした。
何となくいつものアツじゃない。
「アツ、どうしたの?」
こんな時間に、連絡もなしに突然くるなんて、初めての事。
私がアツの前に立つと、アツはゆっくり私の手を取った。
握るわけでもなくて、ただ私の指を触る。
視線は外したままで。
「アツ?」
「悪かった。今日・・・ごめん。」
元気のないアツの声に、キューッって胸が締め付けられる。
「アツ、大丈夫だよ?怒ってないよ?」
次の瞬間、私はアツの腕の中にいた。
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