私は彼氏がキライです!?〜ｸﾗｽﾒｲﾄとLOVEﾊﾞﾄﾙ〜

「お前に渡しときたいもんがあるんだ。」




そう言って、おもむろに通学用のカバンをあさるアツ。




「どっちがいい？」


差し出された二つの拳。




何か分からないけど、とりあえず



「右。」



「ハズれたらキスな？」



悪戯っぽく笑うアツに私も思わず笑ってしまう。



開かれた右手は、



「はい、ハズレ。」


何にも入ってなかった。




当たりだ！！




アツの唇に、自分からキスをする。



ちゅうーって3秒くらいだけど、さっきのアツのキスより、少しだけ長いキス。



驚いた顔をしたアツだけど、ちょっと嬉しそうに、ニヤっと笑って、私の頭を乱暴に撫でた。




「じゃあ、次はこっちな。」




ゆっくり開かれた左手には、




「･･･鍵？」



アツの手の平から取ってみる。


どう見ても鍵。



「家の鍵。お前持ってて？」



「えっ？」



家の鍵って、この家の鍵だよね？？



「何で？？何でくれるの？？」



だってそれって、いつ来てもいいって事だよね？



アツがいない時でも、入っていいって事でしょ？



特別な人にだけ、許される事でしょ？




「お前忘れてるだろ？一応今日で１ヶ月達成。マズい味噌汁、作りに来いよ？」



１ヶ月？付き合うようになって？



そんなのいつか分かんないよ。



アツが好きって言ってくれた日？

私がアツの言葉に乗せられちゃった日？

それとも、初めてキスをした日？


１ヶ月記念だから、今日一緒にご飯食べてくれたの？


ハンバーグ･･･作ってくれたの？



お味噌汁、もう作るなって言ったクセに。





ばか。






「アツ･･･好き。」



初めて言えた。



ちゃんと言えたのに･･･



「何でそんな顔すんのよ！」




ビックリした様な変な顔。





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