私は彼氏がキライです!?〜クラスメイトとLOVEバトル〜



重たい足で家に帰ると、玄関にコナミの靴。



俺が帰って来た事に気づいているはずなのに、コナミは振り向く事もなく、テレビを見ていた。



コナミに対しての後ろめたさ・・・



俺は冷蔵庫を覗くフリをして、気持ちを落ち着かせた。



ペットボトルの水を掴んで部屋に戻ると、



俺を見ないままコナミは俺の横を通り過ぎた。



「私、帰る。」



とっさに掴んだ腕。


明らかに泣いた形跡のある目。



「お前・・・泣いてんのか?」



顔を強ばらせて笑顔を作った後、コナミの目からボロボロと流れ出した涙。



下手な言い訳をして、ごまかそうとするコナミから、何とか理由を聞き出そうとしたけど、泣き続けて、ただ“帰りたい”と言うだけだった。




辛そうに泣くコナミを見て、胸が締め付けられそうだった。



聞けば聞くほどに泣くから・・・



それ以上は聞けなくて、家まで送ってやる事しか出来なかった。



でもこの時の涙が、まさか翔子の事が原因だなんて、俺は全く気付かなかったんだ。



.
< 389 / 488 >

この作品をシェア

pagetop