桜 夢 (オウム)
「いやーしかし、ホント何もないところですね。まあゆっくりとしに来たからいいんですけど、そうは言っても限度ってもんがあるでしょう。ねえ」

「信山さんは、どうしてこの村に?」

「いや、ホントどこでもよかったんですよ。ちょっと仕事でトラブっちゃって、それでまあ、社長から直々に、有給とって休めって言われちゃって。まあ謹慎ですよ謹慎。で俺も自棄くって、適当に電車乗って、適当に降りたら、ここに着いてたってわけで。情けない話です。そちらは…物書きの先生でしたよね。なんかいい題材見つかりました」

「物書きは趣味です。先生だなんて、とんでもないですよ。普段は、信山さんと同じ、サラリーマンです」

「…ぷはーっ」

聞けよ。

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