文の幸福

門をでるところで声をかけられた。

「市川!」

華だ!相変わらず待ち伏せ好きだな。

せめて日陰で待ち伏せしたらいいのに、また汗かいてる。

「・・・華。何?」

「市川、仁様とどういう関係?」

「仁様?華に関係ないでしょ?」

「ふん、あんたなんて相手にされないわよ」

いつも、思う。こいつ、お母さんの漫画のイジ悪キャラともろかぶり。

「あっそ、じゃーね、元気でね。」

「ま・待ちなさいよ!私は婚約者なのよ!仁様に近づかないで!」

・・・近づくも何も、あなたの仁様は物凄い遊び人ですよ?と思いながらもそこは言えない。

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