文の幸福

鼻歌歌いながら上機嫌で文を待っていると、前から只ならぬ感じをまとった女が現れた。

えらく着飾ったスト子だ!

真っ直ぐこっちを見ている。

自分の眉間に皺がよってるのが分かるほど、イらっとする。

オレの素敵な気分を害するな!無視だ無視!と思い視線をはずす。

外した先に別の女がいて「キャ!」っと頬を紅くしてる。

かんべんしてくれよ、と思いながら「チッ!」と舌うちしていると

「仁様?」

仕方ないから、不機嫌なままスト子を見下ろすと、スト子がキラキラビームでこっちを見ている。

胸糞悪い。

「仁様?待ち合わせですよね・・・でも待ち合わせの方は来られません。
よかったら私と」

「あ?テメ何した。“アヤ”に何した。」

「え?“アヤ”?」

「おい、聞いてんのか?無視してんじゃねーぞ!“アヤ”に何した!」

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