文の幸福
音楽を楽しみながらホールを見ていると
「ねー、超―可愛いね。」と声が聞こえる。
振り向くと身長の高い銀髪のツンツン頭で耳にはたくさんのピアスが付いている。
静香と陽子を見るとそれぞれの知り合いと顔をくっつけてお話している様子。
なるほど、あれぐらい近づかないと聞こえないのね。
私もツンツン頭に顔を近づけて、
「ありがとう!今日はよく言われる!」とお礼を言う。
「そうなの?化粧落としても、超―可愛いでしょ!それにしても、目デカくない?コンタクト?」
「ううん!裸眼!自慢の1.5なんだ!」
「ええ!マジで!人形みたいな目なんだけど!」
「・・・人形は視力ないですよ」
「え?聞こえない!」
「なんでもなーい」正直、この爆音で会話するの面倒くさい。
こいつとの会話全然つまんないし。