文の幸福
仁は、そのまま私に抱き着き腰に手をまわした。
「おそい」
「ご、ごめん。彼女達いいの?」
「どうでもいい。文?大丈夫か?」
「ううん、大丈夫じゃないみたい。」
「どうした!何かあった?」
「仁・・・嫉妬したみたい。苦しい。」
「・・・コッチみて」
仁の顔を見上げると、顔がすぐ近くにあって、キスをしてきた。
こんなにたくさんの人がいるのに、恥ずかしいよりも嬉しい。
「出よっか。」
「うん、ジャケット預けているから、ロッカーに行ってくるね。」
「一緒にいく」
二人で、ロッカーに向かうと凄い形相で睨む彼女達が前にいた。
すれ違う時に「ヒっ!」と悲鳴めいた声が聞こえたので振り向こうとしたら、仁が抱き込んできたので見えなかった。