文の幸福
「餌はなんなんだ?」
「・・・ゲーム上のアイテムらしい。
もう、ここらへんはオレの価値観を超えすぎて、わからん。
だから、ネット上なら接触は以外にも可能だ。」
「時代が違うと、人間性も違うなー」
「そうだな、最近の調査は若いものに任せているよ。
で?仁はどうするんだ?まだはっきりとは決まってないんだろ?本人に聞いたのか?」
「嫌・・。実は前に捕まった時も“Lee”との関係は一切明かさなかった、だから、今回も口を割らないと思う」
「じゃー、仁につながる前に“市川 文”との関係を切らせないと、今なら仁との関係性も白紙にもどせるぞ。」
「そうなんだが・・。博、お前からみた仁の人間性ってどうだ?」
「人間性?そうだな・・、家族とかオレみたい赤ん坊から知ってる人間を大事にする、秀才スポーツマンじゃないか?」
「嬉しいこといってくれるじゃないか。ちょっと、違うんだ。
小さい頃から、他人をかなり見下すし誰も信用しない奴だ。
それに、オレでも頼ってこないし、何も要求もしない。
高校受験も大学進学もコッチから申し出ない限りなかったな。
高校受験の話をした時は、家をでて働くと言ってたんだ。
コッチが大学まで行って欲しいと言えば、反発もなくあっさり了解するし、水泳を勧めれば素直に始める。
人間関係以外は結果を出して欲しいと言えば、必ず結果をだしてくれる奴なんだ。」