文の幸福
親父はどこまで知ってるのだろうか、若干モヤモヤしていると、
「仁!」
と可愛い声が聞こえる、コッチに笑いながら走ってくる文。
思わず抱きしめてしまう。
「もしもし?私たちもいるんですけど?」
「は?お前らはどうせ、誠と蘭だろ?二階の席にいたぞ。」
「ほら、文!二階行くよ!」
「ざけんな、文はプールサイドのコーチ席に座らせる、お前らだけでいけ。」
「マジで!大丈夫なわけ?」
「うるさい、早くいけ」
邪魔な静香と陽子を排除して、文の首に顔を埋める。
落ち着くぅー!
「仁、あとどれくらいで始まるの?」
「十五分ぐらい」
「!なら早く行かなきゃ!」