文の幸福
中学の華との騒動で、全面で私を庇ったみどりには感謝の気持ちと申し訳ない気持ちがあった。
図書館で偶然みどりに出会って、何がなんでもみどりの夢をかなえようと心に誓った。
仁に初めて会った時はビックリした、中学の時に華が言っていた、婚約者の写真と同じ顔だったから・・
仁を見て、みどりと再会したのもあり、華への仕返しの気持ちも蘇った。
仁を誑かしてやろうと思ったが、仁の苗字が“大谷”だった。
確か、内閣の情報部機関の幹部の苗字と一緒だ、
華が絡んでなければ、なんとも思わなかったが、権力に弱い華が目を付けたのだから、もしかしてと思い調べたら当たりだった。
仁に近づくのはやめようかと思ったが、警察署長にみどりの事を相談すると、内閣の人間なら、情報操作ができると聞いて、計画は決まった。