文の幸福
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教室の一番後ろの窓際が私の席。
イヤホンから流れてくるへヴィメタに合わせ、教室でちちくりあう、カップルを、ヘッドバンキングで血祭にしていた。
もちろん脳内で。
校内でイケメンと言われる男が、彼女の金髪にちかい髪の毛を指でクルクルしながら、時折口づけている・・・・。
彼女の痛んだキューティクルに住むバクテリアに感染して気が狂ってしまえ!
いかん。
私の考えるべきはそこじゃない。
どうやって、彼女のように、満足できる相手を見極められるのか考えねば。
何故あの人がいいのかな?イケメンと言われていても、スニーカーは汚く臭そうだし?笑う顔から見える八重歯は黄ばんでいる。
たとえ容姿がタイプであっても、気になって“私の本能”とやらに集中できなくね?息止めたくならね?
・・嫌、いっそのこと相手の息の根を止めたくなる衝動にかられないのが不思議なくらい。