文の幸福
今日はなんだ!
と調べれば、返却作業の繰り越し限度を10冊にしている・・・・おいおい、
普段は100冊に設定している。
本来10000冊にしたいのだが、10000冊を一括処理する能力はここのシステムでは不可。

100冊ならエラーも起きずスムーズに処理できるので100冊に設定しているのに、誰が10冊にした。

操作した人間を調べると山田のババーだ、本人を問いただすと「朝10冊まとめて処理をしたかったから」だそうだ。

「100冊以内なら、設定変えなくてもまとめて処理ができますので、安心して設定を変えないでください。」
と丁寧に教えつつ命令をする。

山田のババーは了解の返事の代わりに「ありがたや、ありがたや、」とどこかに手を合わせながら事務室に消えて行った。

時折、この図書館の闇を見た気がしてゾっとする。

ここでの働きは逐一、父親に報告が行くのでジジババどもを阿鼻叫喚するほど痛めつけたいが、
ここは丁寧にかつ威圧的に対応する。

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