文の幸福
戻ると、文ちゃんがオレより少し上ぐらいのジャージの人と話している。
この大雨の中ランニング?え??
親しげに話す文ちゃんと変態イかれランニング野郎を思わず固まってみてしまう。
よく見ると、ランニング野郎はかなりの体つきと風貌だ。
一見ヤクザ。
文ちゃんて妖艶に見えたけど、やっぱその筋なのかと変な焦りを感じていると、ペコリと頭をさげた文ちゃんに片手をあげて(変態イかれ)ランニング野郎はパーカーをかぶり走り去って行った。
再び彼女に近付こうとすると文ちゃんから気づき振り向いた。
気づくのはやくね?
「さっきの人知り合い?」
焦りをかくしながら、心の中でヤクザさんではいない事を祈った。
「はい。この近くの機動隊員の人です。お世話になっている人です。」