文の幸福
オレが、軽く手を上げると、文は横髪を耳に掛けて、にっこりと笑った。


ううううーーー可愛い!髪の毛をアップにすると、エロいが、降ろしていると年齢よりも幼くて可愛い。

オレはロリコン思考も入っているのか?

と内心同様しつつ、文に声をかける。

「文、来たなら声かけろよ」

「うん、でもお仕事で怖い顔してたから、邪魔しちゃいけないと思って」

「さっきか。あれは違う。悩んでたの」

「そうなんだ」

「昨日こなかったな、忙しかった?」

「ううん、月、水、金は部活があるんだ。火、木、土は基本、図書館。」

と言って、本に視線を戻してしまった。


おい?オレ彼氏。さっきの嬉しそうな笑顔は?

不満に思いながら、さっき横髪を掛けた耳に目がいき離れなくなってしまった。

白い首筋にくっついている白い耳。

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