文の幸福

柔道を極めたい私は巻き込まれる前に、知り合いの警察署長に口添えをしていただき月、水、金だけ警察署や機動隊に出稽古している。

そして学校の部活には一切顔をださず、やる気のない顧問に頼みまくって籍だけおいている。
籍がないと警察署も機動隊も受け付けてくれないのだ。
保険の問題らしい。

他の曜日は区の図書館で過ごすのがもっぱらの日常。
          最高だ。

今日は火曜日。放課後、すれ違う車のボンネットをハシゴしながら、目の合う人皆に中指をたてて喧嘩を売る妄想をしながら図書館へ向かう。
選曲は山嵐。昔の激しい曲が好物なあ・た・し。

ご機嫌に図書館の門を抜けようとしたら、門にもたれるギャルが視界に入る。
「みどり?」
「!文ちゃん!」
幼馴染のみどりだ。中1でヤンキーになったみどり。
中2までは隣に住んでいたが、傷害事件を起こしてしまいそれが元で、両親が離婚し、引っ越して離れ離れになった。
そんな彼女の昔の夢は警察官。
そして、私の唯一無二の親友。
< 9 / 225 >

この作品をシェア

pagetop