文の幸福

オレは自分を諭すように耳から目線を外し、文の持っている本を見る。

“ドバイ観光”と内容から目に入る

「ドバイに興味があるのか?」

「ううん、違うよ。なんでお年寄りがドバイに旅行に行きたいのか気になって」

と言って、本の表紙をみせた。

“余生を謳歌する海外旅行”

「・・・そうなんだ、」

「仁?仕事にもどらなくて大丈夫?」

「うん、文は何時に帰るの?」

「今日は四時半にはここを出なきゃ。両親と話があるから、早めに帰って家事をやっておいて、点数稼ぎしなきゃいけないんだ!」

「へー、忙しいのに“余生を謳歌する海外旅行”が気になってきたの?」

「ううん、仁の顔みたくてきたの。」

嬉しくて、ワタクシ黙ってしまいます

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