彼、
雨は止む気配を見せなかった。
いつまで経ってもずっと降り続けた。
人間の街では洪水によって沢山の人々が死んでいっていた。
彼は、
「これじゃあ水に困りませんね。
良かったです。」
と言っていた。
私は確信した。彼は紛う事なきバカである。
彼は気付いていなかった。
地球上から土地が少なくなっていっているのを。
人間はどんどん減っていっている。
他の生物もまたどんどん減っていっている。
< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop