愛され女子になりたくて
side 青山
また、中野さんが佐藤さんにちょっかい出してる。
佐藤さんは嬉しそうに、ニコニコして、頭をポンポンされているし。
俺を好きなんじゃ、なかったのか?
ふと、中野さんと目が合った。
こちらを見て、不敵な笑みを浮かべると自分の所へ戻って行った。
「嬉しそうだね」
「えっ?」
俺は何を、言いたかったのだろう?
「・・・済みません」
「いや、別に・・・」
彼女に謝らせたかった訳じゃないのに、俺は何がしたいんだろう?
この間の同期会の夜から、おかしい。
あの時立ち止まって、彼女たちの話を聞かなければ・・・違っていたのだろうか?
俺は、萌香ちゃんが好きだったはずだ。
その時、二課のヤツらが血相を変えてフロアに入ってきた。
「総務の都築さんが、結婚するって!」
萌香ちゃんが、結婚する?
嘘だろ?
俺はアポイント先に出ることも忘れて、総務に駆け出した。