愛され女子になりたくて
所属異動
月曜日、出勤時間わいつもより少し早めて、中野さんと会社近くのカフェで待ち合わせをした。
「おはよ、ハナ。遅くなって悪い」
「おはようございます。朝早くから、済みません。そんなに待っては無いですよ。珈琲、先に頼んどきました」
「おっ、サンキュ。やっぱり、ハナは気が利くな」
「もちろん、師匠の事ですから」
ああ、こうやってポンポンやり取り出来るのは楽しい。
「で、答えを聞かせてもらえるのか?」
「・・・はい。また、私を鍛えてもらえますか?」
「任せとけ!じゃあ早速部長にお願いして、異動させてもらえるよう、頼んでおくよ」
「はい、宜しくお願いします」
「こちらこそだ。天下の青山を支えたハナの仕事ぶりをたっぷり見せてもらうよ」
翌日、部長から呼び出しが入り、内示をされた。
「発令は明日だから、それまでは内密にしといてくれよ。それと引継ぎの準備もしておくように」
「はい、承知しました」
自席に戻ると、青山さんは営業に出ていてまだ、戻っていない。
感のいい人だけに、少しホッとした。
青山さんは手がかからないので、引継ぎの準備は、簡単なメモを用意するだけで終わってしまった。
やっぱり、青山さんに私は居なくても良い人材なんだな・・・などと、自嘲的な事が頭を過ぎる。
今は中野さんも、営業に出ているようだ。