愛され女子になりたくて
芽吹きの時
「佐藤さん、落ち着いた?」
青山さんが、私の顔を覗き込む。
「済みません。お見苦しいところを、お見せして・・・」
「いや、自分の姉妹に何かあれば、誰だって取り乱すよ。二課の課長には、俺から話しておくから、暫く様子見て上げて。佐藤さんも落ち着いたら戻ってきなよ」
「はい。ありがとうございます・・・」
無理矢理に笑顔を作って、青山さんにお礼を言った。
青山さんが来た途端、スっと自分が落ち着いたのを自覚した。
肩に手を置かれて、安心してしまった。
救護室に入ると、モカちゃんが姉の傍に付いていてくれた。
「モカちゃん、ありがとう。連絡くれて・・・」
「うん。それは良いけど、びっくりしちゃった。花菜美ちゃんも怒るんだね?」
「やだ、私だって人間だもの。怒る時も有るわよ。モカちゃんは私を怒らせるようなこと言わないし、普段は祥子ちゃんが代わりに怒ってるからわからなかっただけよ?」
「そっか、花菜美ちゃんも、もっと思った事言って良いんだよ?いつも、言いたい事とか、我慢してない?」
「モカちゃん・・・」
「もっと、頼ってくれたら嬉しい。花菜美ちゃんとは高校からの付き合いだし、ずっと仲良くしたいから、頼りないかもしれないけど・・・えへへっ」
「ありがとう、モカちゃん」
「お姉ちゃんも、落ち着いてるみたいだし、仕事に戻るね・・・」
「うん。私が穂花さんに付いてるから、安心してお仕事してね!」
「じゃ、お願いします」
救護室を後にした。