愛され女子になりたくて

混乱の人事異動発表後、新体制に向けて異動者の大移動等と、並行して通常業務をこなした。

姉から終業後、一階ロビーで待っているとLINEが入った。
大急ぎで仕事を片付け、ロビーに行く。

姉は、東海林課長・・・じゃない、部長と一緒にいた。

「花菜美、お疲れ。昼間は心配かけてゴメンね?」

「お姉ちゃん、本当に心配したんだからね!東海林部長も、さっきはごめんなさい」

「いや、良いよ。俺が悪かったのは事実だしな。未来の妹だ、大目にみるさ」

「えっ?妹って・・・どういう事?」

「私、吏(つかさ)さんと結婚する事になって・・・」

「ええっ!じゃ、この前言ってた事が、現実になったんじゃない。でも、おめでとう。課長にもなったし、お祝いしなきゃね!お姉ちゃん」

二重の意味でおめでたい。

「でも、今日は二人でお祝いして来なよ」

「ありがとう、花菜美」

そう、これで良い。
私は笑顔で、周りを幸せに出来るように。

「東海林部長、姉を宜しくお願いします」

「任された。花菜美ちゃん」

寄り添い歩く二人を見送って、私も前を向いて歩き出す。
帰りに、駅前の不動産屋を見て帰ろうかな。

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