愛され女子になりたくて
・・・なんだかモヤモヤする。

仕事の手が止まってボッーとしていると、頭の上から声がした。

「手が止まってる。具合でも悪いのか?」

私の教育係だった中野利明(なかのとしあき)さん。
この春から、二課に異動して主任をしてる。
中野さんもかなりのイケメンだ。軽くウェーブのかかった髪を短くして揃え、ダークグレーのスーツが良く似合う。

「青山に扱き使われて、疲れちゃったのか?ハナは真面目だからな」

「中野さん。大丈夫です。具合も悪くないし疲れてるわけじゃないです」

「辛い事があったら、俺に相談しろよ。教育係だったんだから」

「ありがとうございます。その時は、真っ先に相談しますね」

「ハナは素直で、カワイイな」

「職場で堂々と俺の部下、ナンバしないでくれる?中野さん」

青山さんがファイルを持って、戻ってきた。

「そういう事を、さっき桜庭(さくらば)部長に言われていたな?青山。俺は具体的に誘ってた訳じゃないけど?」

「・・・それは」

「それに、ハナは俺の部下だったからな、気にして当然だ」

「今は俺の部下なんで、お気になさらず」

「なら、キチンと部下に目を向けてやれよ。ハナは、笑顔でサラッと無理をするから」

何?このやり取り?
この二人ってこんな風に、険悪だったかなて・・・見てるコッチがハラハラする。
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