愛され女子になりたくて
コンビニで卵や牛乳、ベーコンとサラダチキン、チョップレタスとトマト、カップスープの粉末、ロールパンを買って帰った。
「ただいま」
家として馴染みがないので、何となくこそばゆい。
リビングに入ると、ライトグレーのジーンズと白シャツにネイビーのオープンシャツを着た健吾さんが珈琲を飲んでいた。
「おかえり」
「直ぐに、朝食作るね」
「慌てなくてイイよ」
のんびりしたいけど、業者が来る前に食事は済ませておきたい。
手早くべーコンを焼き牛乳を少し入れた卵でスクランブルエッグを。軽くロールパンを焼いてから切れ目を入れてマーガリンを塗る。
サラダチキンを適当にカットして、スライストマトとチョップレタス、チーズをロールパンに挟んでロールパンサンドにする。
その間に沸かしておいたお湯で、カップスープを作って完成だ。
「健吾さん、朝食できたよ」
読んでた新聞を畳んで、健吾さんがダイニングテーブルにくる。
「なんか、美味そう。短時間で、モーニングみたいだな・・・手際が良いんだ」
「大した料理じゃないですよ、切って焼いただけだし・・・」
「俺はそれもダメだったんだよ!こんなキレイにスクランブルエッグなんて作れなかったよ・・・」
「こういうのは、慣れもあるから。さっ、いただきましょう?」
昨夜と同じ様に、二人で手を合わせて食べ始めた。
「なんか、良いな・・・こういうの。夫婦で食事してるみたいでさ」
「・・・そうだね。健吾さんは、直ぐにお嫁さん来そう・・・」
「花菜美が嫁に来てくれても、一向に構わないけど?」
「へっ、変な事言わないで・・・」
「至って真面目だけど?」
私なんかじゃ、釣り合わないよ・・・。