愛され女子になりたくて
甘い買い物

クルマで少し行った、郊外型のホームセンターに着くと、先ずはカーテン売場へ向かう。

「遮光カーテンも良いけど、ロールスクリーンも捨て難いな・・・」

「結構な種類があるけど、花菜美は何かイメージとかあるの?」

「うん。ソファーがグリーンだから、同系色で統一感出したくて・・・あっ、この色キレイ」

手に取ったのは、限りなくブルーに近いグリーン。
端を引き出して、照明を透かしてみる。
次に手に取ったのは、濃いめのエメラルドグリーン。
先程と同じ動作を、繰り返す。

一通り見て回って気づいたのは、チェックしていた物は全て無地。

結局、はじめに見てた濃いめのエメラルドグリーンに決めた。
メインのカーテンカラーが決まると、やっぱりグリーン系のレースカーテンをサクッと決めた。

「迷いがないな・・・」

「健吾さん、次、寝具売場行きましょう!」

「ああ。カートいるか?」

「はい。あそこに有りますね。持って移動しましょ」

「オーケー」

寝具売場では、クール仕様の物を物色する。
枕のカバー、ボックスシーツ、肌掛け布団とタオルケット。
迷いなく、カートに入れて行く。

「サイズとか、確認してるのか?」

「ちゃんとしてますよ。大丈夫」

「ん、わかった」

「後は、キッチン用品ですね」

「おう」

キッチン用品では、圧力鍋、バンチングボウル、ピーラー、塗りハケ、トング、スケールに計量カップ。天ぷら鍋、バット、箸、茶碗なんかをセレクトした。

「他に必要な物は?」

「あ、お弁当箱!」

「花菜美は弁当派なんだっけ?」

「いつもは、朝食担当のお姉ちゃんが作ってたんですけどね。社食で並んでいる時間が勿体ないので、お弁当なんです」

「それさ、俺の分も作れるかな?」

「作れますよ。健吾さんのお弁当箱も、探しましょ」

「よし!どれがいいかな・・・イマイチ選び方わからないが」

「ご飯量の表示がありますから、普通サイズのお茶碗何杯分、とか。それを決めておかずの量がどれぐらい欲しいか・・・って感じで選んで下さい」

「ん、わかった」

暫く悩んで、ビジネスバッグにすんなり入るスマートタイプの二段弁当箱に決まった。

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