愛され女子になりたくて

「ハナってなんだよ。佐藤さんはハナって名前じゃないだろ?」

そう・・・フリガナ付きじゃないと、ほぼ間違い無く花菜美は「はなみ」って読まれる。
中野さんは何度訂正しても、治らなかった。
でも、それが心を開くきっかけになった事を、青山さんは知らない。

新人の私がミスをして、落ち込んでると

「花菜美のかは花だろ?なら、お前の呼び名はハナな!教育係の俺だけの渾名だな。他の誰にも呼ばせるなよ」

そう言って内緒ポーズをとりながら笑って、頭を撫でてもらった。
それからは、なんでも中野さんに相談、確認をして仕事を叩き込まれた。

「悔しいのなら、青山も渾名着ければ?ハナは譲れないけど」

そう言って、二課のシマに戻って行った。

唖然としている私を見ると、青山さんかボソリと呟いた。

「大人気なかったな、ゴメン」

「大丈夫です。でも、びっくりしましたよ」

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