愛され女子になりたくて
月曜日は二人とも半休をとり、役所へ婚姻届を出しに行った。
今日から、佐藤花菜美改め青山花菜美になりました。

そのまま、住民票やら、結婚証明やらを手続きを済ませて出社をし、人事部で届出をして営業統括部長に結婚の報告をした。
そこで花菜美は退職届を提出し、退職日は一ヶ月後に決まった。

その旨を課員に話すと、中野さんをはじめ皆が祝ってくれた。

「浅井さんも諸橋さんも、ゴメンね。事情があって言えなかったから」

「佐藤さん・・・花菜美さんって呼んで良いですか?課長と被るから」

「うん。是非!」

「私たち、花菜美さんに仕事を教えてもらって、すっごく感謝してるんです。花菜美さんが一課にいた頃から、二人はお似合いで・・・そうなったら良いねって話してたんですよ」

「はい。だから、嬉しくって」

「ありがとう。二人ともかなり成長したし、私が教えてあげられる事はもう無いわ。後は数をこなして行くだけだから、頑張って。残り一ヶ月、宜しくね」

「「はい!」」

「ハナ、俺を袖にしたんだからな。幸せになれよ!」

「はい」

良い先輩や後輩に恵まれて、私は幸せだ。
さくら堂に就職して、良かったと・・・心から思った。
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