Violet Detective
「君に、怪我をさせたくないんだ」

恋人同士なら、胸を高鳴らせていただろう。

最初は「でも……」と右京さんに抗議したが、右京さんと東さんが意思を変えてくれることはなかった。

仕方なく、私はお留守番を受け入れた。

「夕食、楽しみにしてるよ。今日はコロッケが食べたいなぁ〜」

「呼び鈴が鳴っても出なくていいからな」

東さんと右京さんにそう言われ、私は頷く。二人はこれから朱美に虎徹のことについて聞きに行くそうだ。

二人を玄関まで見送っていると、ポケットに入れていたスマホに電話がかかってきた。

「すみません!ちょっと出ます!」

私がスマホを取り出すと、表示された名前を見て驚く。

「あっ、寺井さんからですね」

その刹那、右京さんの目の色が変わる。私はスピーカーモードにして通話を始める。

なぜ寺井から電話がかかってきたかというと、連絡先を交換したのだ。寺井がパーティーの後、「もしも怪我をされていたら、ここに連絡ください」と言ってきたのだ。

「もしもし?」
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