Violet Detective
「蘭は天才だが、僕には敵わない。それよりも谷口は何かを隠している」

右京さんが言った。天才、という言葉に一番反応するのは右京さんだろう。

「たしかに、倉本の名前を出した時に動揺しているように感じました」

私がそう言うと、東さんが焦る。

「えっ?う〜ん……。よくわからなかったよ〜」

「だから君は、いつまでたっても僕の助手で止まっているんだ!」

「ええ〜!!ひどいよ〜」

そんなことを話しながら、私たちは調査を続けた。



ペトラはすでに日本から出国してしまったので、話を聞くことはできない。そのため、私たちは安藤幸人と木下一花から話を聞いたが、どちらからも怪しいと思うようなところはなかった。

西園寺虎徹は二人のファンのため、招待したらしい。

その後、二手に分かれて調査をすることになった。東さんが寺井に話を聞きに行き、私と右京さんは京子に話を聞きに行く。

「きちんと観察しろよ」

東さんに右京さんは何度もそう言っていた。

「……信用、してないんですか?」

「してない」
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