Violet Detective
「……私に協力できることは何かあるかわかりませんけど、お力になれるなら協力させてください」

京子さんはそう言うと、お茶を入れるために部屋を出て行った。その刹那、右京さんが立ち上がって部屋の中を物色し始める。

「な、何してるんですか!?」

突然の行動に戸惑う。この様子を見られたら、間違いなく私たちは泥棒と思われても仕方ない。

「静かに!何か事件につながるものがないか探しているんだ!」

引き出しを開けながら右京さんは言う。私は扉と右京さんを交互に見つめ、いつ京子が戻ってくるか緊張しながら右京さんが早く物色をやめることを祈る。

「……ん?これは……」

引き出しを開けていた右京さんが、一枚の名刺を取り出す。それはお店の名刺のようだ。

水浅葱色の名刺には、「セレステ」と書かれている。名刺には電話番号と住所も書かれていた。

足音が近づいてくる。私は「右京さん」と声をかけた。タイムアップだ。
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