溢れるほどのすきをあげる。
そう言えば私、谷家くんについて全然知らないなぁ…


何が好きで何が嫌い、とか。誕生日とか、正座とか。


中学の頃、ゆのちゃんと何があったとか…


「ねえ輝光…ゆののそばにいて…?」


「…俺は…」


ねえ谷家くん…なんて言おうとしてるの?


ゆのちゃんと、付き合っちゃうの…?


大事な…幼なじみだもんね…


「俺は…もう…」


「…やめて。その先、言っちゃダメ。戻ろう。」


その言葉を言ったゆのちゃんの声は、驚くほど低くて、冷たかった。
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