無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる

....あ、そういえば。


あの時、律くんに『ありがとう』って言われた気がするけど、なんだったんだろう。



うーん....と考えてみても、見当もつかない。


今度、律くんに聞いてみようかな....-、なんて考えていると。



「.....桜雅君は、確実に未桜のこと....」


「ん？なんかいった？」


「....なんでもない。あ、あと私今度屋上いくから」


「屋上....？なんで？」


「ちょっと桜雅くん達と話がしたくて」


「話ってなあに？」



首を傾げながら聞いても、悠莉はニヤリと口角を上げるだけ。


「見極めにいくのよ。桜蕾を、ね」


「....？」



見極めるって、なにを？



──聞き返しても結局悠莉が教えてくれこともなく、その言葉の意味が分かるのは数日後のことだった