無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「由良くん、手伝ってくれてありがとう」
最初から最後まで手伝ってくれた由良くんにお礼を言えば、やさしい笑みが返ってくる。
由良くんの笑顔、やっぱり爽やかだなあ。
和んでいると、ツンツンと腕をつつかれた。
「みーちゃーん、僕たちには~?」
「....うん。湊くんたちも、ありがとう」
手伝ってくれたかは別として....一緒に残ってくれたのは、嬉しかったから。
「....ほんと、お人好しというか」
「未桜ちゃん、将来詐欺とか気を付けてね?」
笑顔でお礼を告げたのに、なぜかため息をつかれる始末。
よく意味がわからないので、とりあえず荷物をまとめて帰る準備をして。
カバンを持って、ドアの方向へ進もうとしたら。
「....じゃ、帰ろ」
「うん。っ....、」
突然、左手に感じた温もり。
目を見張りながら視線を下げれば、繋がる手と手。
「えっと、律くんこれは....?」
「手繋いでる」