無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「もー、みーちゃん遅いよ~」
「ご、ごめんっ。ちょっと悠莉と....ね」
教室からダッシュしてやってきたのは、学校の裏口。
後からすぐに行く、と言ったのに、5分ほど待たせてしまった。
基本、人の出入りは正門が多いから、裏門は管理人さんくらいしか人がいない。
律くんたちと正門で堂々と待ち合わせできるほどの強い精神を、私は持ち合わせていないのだ。
裏口こそ、律くんたちと待ち合わせするのに、もってこいの場所。
.....と、裏口が待ち合わせ場所なのはこれだけが理由ではなく。
「いつみてもピカピカだね ....」
『水城学園裏口』と彫られた校門の前にとめられている、立派なリムジン。
前に一度送ってもらったけど....やっぱり慣れないというか、場違いのような気がする。