無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「お待ちしておりました、未桜様」
「あ、晴さん。お待たせしてしまってすみません....」
ペコリと頭を下げれば、晴さんは『とんでもございません』と爽やかに微笑んで。
「では、お車へどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
律くんの執事である晴さんは、こんな私にも紳士的な対応で。
う......、こんな丁寧に扱ってもらって、申し訳ないなあ。
愛想笑いを浮かべながら、車に乗り込もうとすると。
「未桜はこっち」
「わっ....ちょっと律くんっ」
腕をひっぱられ、その反動で律くんの方へと傾いてしまう。
ぽすん、と律くんの胸に顔があたる。
あわてて離れようとするけど、腕でがっちりとホールドされていて離してもらえない。
「俺の隣以外の選択肢ないから。なんか文句ある?」
「....ない、です」
満足気に口角をあげた律くんが、手のひらを私の頭に置く。
強引な言葉とは裏腹に、ゆっくりと髪をすべる手つきはやさしくて。
.....顔、あつい。