無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
ドアノブを回して、部屋に入ると。
.......、
──ここはホテルですか?
無意識にこぼれた言葉に、律くんはクスリと笑う。
「ホテルじゃない。俺の部屋」
さ、さすが桜雅グループ....。
全体的にモノトーンで統一されている部屋は、律くんらしい雰囲気。
ひとつひとつの家具がとんでもなく高そうで、ガラステーブルは外国製と思われるロゴ入り。
「住み心地よさそう...」
ふかふかなソファーを眺めながら、ポツリと呟けば。
「じゃあ、一緒に住む?」
「っ、な。す、住まない!」
ふ、と妖艶な笑みを浮かべる律くん。
余裕な律くんと、余裕のカケラもない自分を比べて、恥ずかしくなる。
「顔、赤いな未桜」
「じ、自覚ありです」
冗談だってわかってるのに、顔が熱くなるのは....なんで?
い、居たたまれない....。
「り、りしゅくん!ちょっとお、お手洗い借りるれ...!」
一旦、自分を落ち着かせようと発した言葉は、噛みっぱなし。