無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



ドアノブを回して、部屋に入ると。


.......、


──ここはホテルですか?



無意識にこぼれた言葉に、律くんはクスリと笑う。



「ホテルじゃない。俺の部屋」



さ、さすが桜雅グループ....。


全体的にモノトーンで統一されている部屋は、律くんらしい雰囲気。


ひとつひとつの家具がとんでもなく高そうで、ガラステーブルは外国製と思われるロゴ入り。



「住み心地よさそう...」


ふかふかなソファーを眺めながら、ポツリと呟けば。



「じゃあ、一緒に住む?」


「っ、な。す、住まない!」



ふ、と妖艶な笑みを浮かべる律くん。



余裕な律くんと、余裕のカケラもない自分を比べて、恥ずかしくなる。



「顔、赤いな未桜」


「じ、自覚ありです」



冗談だってわかってるのに、顔が熱くなるのは....なんで?


い、居たたまれない....。



「り、りしゅくん!ちょっとお、お手洗い借りるれ...!」


一旦、自分を落ち着かせようと発した言葉は、噛みっぱなし。



< 142 / 430 >

この作品をシェア

pagetop