無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「わたしじゃダメ、だから....」
「....だめ、ってなにが....?どうして、そう思うの?」
突然の尊ちゃんの言葉に戸惑いながらも、できるだけ穏やかな声で問いかければ、尊ちゃんはゆっくりと顔をあげて。
「わたし、小さい頃からモデルになるのが夢だったんです。だから、いまモデルのお仕事ができて、とっても幸せで.....。
だから、っ気づかなかったんです....。自分が、どれだけお兄ちゃんに甘えてるのか」
まるで自分を悔やむみたいに、きつく目を瞑って、手のひらに力をこめて。
「お兄ちゃんは、いつも努力してて、周りからのプレッシャーとかにも耐えて....すごく真っ直ぐで。
''桜雅の跡取り''として、たくさんのことを我慢してるのに。わたしだけ好きなことをして....自由でいいのかな、って」
「尊ちゃん....」
眉を下げて、悲しそうに目を伏せる尊ちゃんをみていると、こちらまで胸が痛む。