無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
◇
「おー。ほんとに30分以内に来た。未桜ちゃんあんま準備とか時間かからなそーだもんね。まあ予想どーりかな」
「駿くん、それは貶してる?」
「駿は思ったこと素直に言い過ぎ。もっとオブラートに、だよ!」
「湊くん、それはフォローなのかな?」
『遅れたら....わかるよな?』という律くんの機嫌を損ねたくない一心で。
ほんっとうに急いで支度をして、ほんっとうに急いで倉庫までの道のりを走った。
さっきスマホで調べたら、きょうの最高気温30℃。
そりやあ、もう....めちゃくちゃ。
──も の す ご く 、あ つ い
炎天下のなかダッシュして火照った身体には、クーラーは一番のトッコウヤク。
入り口から、ペコペコ頭を下げてくれる下っぱしさんに、私も同じものを返して。
時間ギリギリで、幹部室へと滑り込んだ。
....のに。