無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
◇泊まりなんて聞いてない
◇
「あ、あのー....律くん?」
「........。」
冬哉くんと倉庫まで帰ってきて、きちんとお金も返して。
───そこまでは、よかった.....はず
どこで間違えたの.....!?
隣には、眉間にシワを寄せて、ふんっとそっぽを向く──律くん。
幹部室のドアを開けた瞬間、冷たいオーラを纏った津くんに、無言で腕を引っぱられて、ソファーに座らされて。
話しかけても、オール無視。
き、まずい....気まずすぎる!
そもそも、律くんの不機嫌な理由もわからない。
キョロキョロ、ヘルプの視線を送れば、駿くんが、にへら~とした笑顔でかけよってくる。
きゅ、救世主.....!!
と、安心したのもつかの間。
「おーい、律。そろそろ機嫌直せって~。いくら、冬哉に未桜ちゃんの初めて奪われたからって」
「.....は、初めて?」