無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
手のひらで顔を覆いながら、ふいっとそっぽを向く。
カンチガイオンナのレッテルが.....い、イタすぎる。
「ほら、顔かくすな」
どこまでも意地悪な律くんは、私の最後の抵抗までもを解こうとする。
「うぅ、律くんのばか.....、」
少しだけ手のひらに隙間をつくって、じっと睨む。
.....と、強引に手を解かれて、ぐいっと距離を詰められた。
あまりの至近距離に、息をするのも忘れてしまう。
なに、なに.....っ。
羞恥心の限界を向かえて、ぎゅっと目を瞑ったら。
「へ、い、たぁ....っ、」
ぐにーっと頬を引っ張られて、額を合わせられる。
妖しく緩められた目元に、なぜかドキドキと胸が鳴って....、動けない、拒めない。
「冬哉と出かけた罰。ばーか」
ばーか、っていう言葉が、なんでそんなに甘く響くの。
これ以上カンチガイ、したくないのに。
嫉妬──なんて、ありえない答えが浮かんでしまう私は、もう手遅れかもしれない。