無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
部屋を出ようとしたとき────重要なことに気づいた
髪、乾かしてない.....!
いつもは自然乾燥派だから、忘れてた。
タオルをあててみても、やっぱりまだ濡れている。
このままじゃ、律くんのスウエットを濡らしちゃう....。
キョロキョロ周りを見渡しても、ドライヤーらしきものは見当たらない。
とりあえずタオルに髪をはさんで、少しでも水分を拭き取って────と、一旦バスルームを出て、幹部室のソファーに座らせてもらう。
そのとき。
「入ってもいい?」
ドアをノックする音が聞こえたあと、聞き覚えのある声がした。
律くんだ。
「うん、どうぞ....!」
一応、ドライヤーのこと聞いてみようかな。
髪にあてていたタオルを首に添えて、顔を上げたら。
「っ......、は」
目をまん丸に見開いた律くんが、ドアの前に立っていた。