無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
ベットのふちのコンセントに差し込むと、ごぉぉぉ、という音で温風が吹く。
「っじ、自分でできる....!っ、」
ベットの隅から近づいてこない未桜の手を強引に引いて、足の間にもってくる。
「ほら、おとなしくしてろ」
後ろから包みこむように手を回せば、言葉通りにおとなしく縮こまる未桜。
耳まで真っ赤な彼女に、ふっと笑みがこぼれた。
俺を意識しているってわかって、すげえ満たされる。
「風熱くない?」
「....うん。て、適温です」
色素の薄い栗色の髪に手を這わせながら、温風をあてていく。
髪に指を通すたびに、くすぐったそうに身をよじる未桜。
.....癒されるって、こーいうことなんだな。
すう、と鼻を掠めた甘い香りは、人工的なものじゃなくて、心地いい。
「未桜って、香水とかつけてんの?」
「香水....?つけてないよ」
なんでそんなこと聞くの?と不思議そうな声色。