無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
story4
◇ゆっくり、加速
♢
「はぁぁ~~っ!?桜雅くんとお泊まりしたぁ~~!?」
「ゆうりぃぃ、声大きいから.....!」
夏休み明けの、始めの登校日。
律くんとのことを問い詰められた私は、倉庫でお泊まりをした日のことを話したら....悠莉は大発狂。
しい、と人差し指を添えれば、悠莉ははっとしたような表情をして、深呼吸を始めた。
「はあ、今世紀最大のびっくりだわ。そこまで進んでたの、未桜たち.....」
「そこまで.....って、ち、ちがうよばか!そういうことじゃなくて、なんていうか。お泊まり会だったの....!」
悠莉の''そこまで''という言葉の意味を理解して、時間差で頬が熱くなる。
ぶんぶんと首をふる私に、悠莉はニンマリと含み笑い。
「ふふー、そんなカモフラいらないから。で、どこまでしたの」
まったく信じてくれない悠莉に反論しようとすると──背後に感じた人影。
とん、と机に手をついた拍子に、柔らかい黒髪がさらりと揺れた。
「っ.....りつくん、」