無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
そして、いつの間にか壁へと追いつめられていたことに気づく。
とん、と片手をつかれて、逃げ場を塞がれる。
「へ、り、っ律くん....っ?」
あわあわとする私とは対に、余裕そうに口端をあげて、ずいっと顔を近づけてくる。
「こんなとこ連れてきたのだれ?」
「う゛.....わたし、だけど」
「だけど?」
「っえぇと、その、.....なんで、律くん靴箱にいたの?」
必死の抵抗で、話をそらしてみる。
でも、ほんとうに気になっていた。
律くん昼休みからいなかったのに、なんで.....?
首を傾げながら聞くと、律くんはふい、と視線をそらして。
「や、ふつうに帰ろうと思って」
「でも、カバンないよ?」
「.........」
急に、口をつぐむ律くん。
?マークを浮かべながら見つめると、観念したように、くしゃり、と髪をかきあげて。