無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「あのな、よく聞け」
「ひっ、は、はい.....!」
う、睨んでる、こわい.....!!
咄嗟に俯いてしまう。
すると、律くんは私の両頬に手を添えて、上へと持ち上げる。
熱の籠った瞳に捕まって、心臓がゆるく掴まれてしまったみたい。
ゆっくりと、メガネを外されて。
「───かわいいのは、俺じゃなくておまえ」
鼓膜に流れこんでくる、丁寧な甘ったるい声。
ぞわ、と心臓の裏をなぞられる。
ぜんぶ暴かれて、解かれてしまいそうになる。
「律く.....っ、わたし、」
───遮ったのは、スマホのバイブ音
はっと、我に返る。
私、いまなんて言おうとした......っ?
「....もしもし。あー.....わかってる、ん。すぐ戻るから。.....お前ね、タイミングわるい」